紅茶のミラクルな10の効能
わたしはよく紅茶を飲みます。もともと好きだったということもあるのですが、身体によい様々な効能があると知ってから、ますます飲むようになりました。
というわけで、ここでは紅茶の効能について、調べてまとめてみました。
紅茶の効能(1) カフェインで覚醒効果
カフェインというと、コーヒーに多く含まれる印象がありますが、紅茶にも、コーヒーの半分程度のカフェインが含まれています。カフェインには自律神経の働きを高めてくれる作用があり、疲れをとってくれたり、眠くて仕事がはかどらないとき、脳をシャキッと働かせてくれたりします。
ついでに、カフェイン量の比較目安も。
(詳細は省きますが、一般的な入れ方で作った場合です)
●玉露(高級緑茶) 100ml中120mg
●コーヒー 100ml中60mg
●紅茶 100ml中30mg
●緑茶 100ml中20mg
●煎茶、ほうじ茶、ウーロン茶 100ml中20mg
●番茶、玄米茶 100ml中10g
ダントツは意外にも玉露なんですね。コーヒーの倍、紅茶の4倍もの量が含まれているとは驚きですね!
紅茶の効能(2) 漂ういい香りで脳がリラックス
カフェインの興奮効果と相反するように思えますが、紅茶の香りには脳をリラックスさせる効果もあります。カップやポットから紅茶のいい香りがふんわり漂ってきて、思わず「はぁあ……」と声が出てしまったこと、ありませんか? ホント癒されますよね。
これは、紅茶に含まれるアミノ酸の一種・テアニンが、脳にα波を出させるのを助けてくれる作用があるためだそうです。このことは、紅茶を飲む前と飲んだ後に脳波を調べる実験で実証されていますが、ストレス解消や慢性疲労に効果を発揮してくれるようです。
また、このほどよいリラックス作用は、脳が集中力を発揮するのを助けてくれます。「ほどよい」というのがポイントで、あまりリラックスしすぎるとお休みモードに入ってしまいますが、紅茶にはカフェインの興奮効果もあるので、香りのリラックス効果とのバランスがとれて、集中するのにちょうどいいわけですね。
紅茶の効能(3) 殺菌効果でインフルエンザウイルスも抹殺
そして、わりと最近、話題になったのが抗ウイルス作用。
紅茶にはカテキンなど何種類かのポリフェノールが含まれていますが、そのひとつ「テアフラビン(赤い色素成分)」が、インフルエンザウイルスの攻撃を阻止します。
インフルエンザウイルスには、表面にスパイクと呼ばれるたくさんの突起があり、これが粘膜細胞に取り付いて増殖するのですが、テアフラビンはこの突起の先端に付着して、スパイクの吸着力を奪い、無力化させて細胞への感染を防いでくれるのです。
これは犬の腎臓細胞による実験によって証明されています。ウイルスに感染させた腎臓細胞を紅茶液につけると、なんと15秒で99・9%のウイルスを無力化できたと言います。
実験には、ティーバッグひとつを150ccの熱湯で1分間抽出した紅茶液を使用したそうです。
ちなみに、インフルエンザなら、A型にもB型にも、新型にも効くと言われています。
このテアフラビン、カテキン2分子から構成されていて、機能性はカテキンとよく似ているそうですが、抗インフルエンザウイルス能力はカテキンの15~30倍。カテキンをよりパワーアップさせた効果を持っているんですね。
紅茶でインフルエンザ対策をしたい場合、ひとつだけNGな飲み方があります。それはミルクティ。ミルクのたんぱく質が、ポリフェノールの効果を阻害してしまうためです。インフル対策したい、でもどうしてもミルクティが飲みたい! という場合は、まずストレートで2口ぐらい飲んでからミルクを入れる、という方法でもじゅうぶん効果はあります。
逆に効果的な飲み方は、ストレートやレモンティです。レモンは入れても効果を阻害することはありませんし、むしろビタミンCもとれて相乗効果となります。
また、紅茶はペットボトルで購入したものよりも、自分で茶葉やティーバッグなどで入れたものの方が効果が大きいことがわかっています。
たとえば、ティーバッグひとつ2gと熱湯150ccで入れた紅茶には、紅茶ポリフェノールが150mg含まれますが、それに対し、あるメーカーの600mlのペットボトルを調べたところ、100mlあたりの紅茶ポリフェノールは42mgだったそうです。100mgに換算すると、ポリフェノール量は100mgと42mg。なんと倍以上違います。できれば自分で作ってポットで持ち歩きたいですね。
ただ、紅茶ポリフェノールは10倍程度までは薄めても効果はあるそうですから、出先にポットを持って出られないときなどは、ペットボトルの紅茶でも、飲まないよりはよさそうですね。
10倍に薄めても効果があるので、紅茶抽出液を帰宅後のうがいに使うこともできます。紅茶の方が市販のうがい薬よりも効果が高いという驚きの結果も、実験によって出ています。
たとえば外出先でインフルエンザウイルスをもらっても、紅茶を飲めば増殖を抑えてくれます。喉を殺菌してくれるので、インフルだけでなく通常の風邪にも効果がありますね。
紅茶ポリフェノールの効果を得るには、ティーバッグを沸騰したお湯に1分以上つけるといいそうですが、わたしは、3分以上はつけるようにしています。沸騰したお湯でいれて、飲みやすい温度になるまで待っていると、それぐらいの時間が経ってしまうのですが、この間、ティーバッグは出さずに入れっぱなしにします。
つけたまま時間が経ったり、飲んで少なくなったりすると味がめちゃめちゃ濃くなるので、そんなときは熱いお湯をつぎ足します。新しく入れかえればいいのですが、考え事をしていると無意識につぎ足しつぎ足ししてしまい、結局、味がなくなるまで飲んでいる、ということもよくあります。もう、出がらしの出がらしですよね。ティーバッグ1コから、栄養をあますことなく採るとは、我ながらなんとコスパのいいこと(笑)。
ちなみに余談ですが、1月の終わり頃、まさかのインフルエンザA型にかかってしまいました。生まれてかこのかた、記憶にあかるかぎり一度もインフルにかかったことがなく、予防接種を受ける習慣もありません。というのも、自分はぜったいインフルにかからない体質だと信じて疑わなかったからなのですが……。
思い当たる原因はただひとつ。夜なかなか眠れないので、珍しく、1週間ほど紅茶をやめてハーブティ(カモミール)を飲んでいたんですね。つまりその間、まったく紅茶を飲んでなかった! インフルにかかったのは、まさにその期間だったのです。
ようするに、わたしがインフルにかからなかったのは、体質が原因じゃなく、毎日毎日、ほぼ一日中、紅茶を飲んでいたから!? これはもう、紅茶が感染を阻止してくれていたとしか考えられないじゃないですか。紅茶、おそるべし。
紅茶の効能(4) アレルギー症状を緩和する
アレルギーには、花粉症などのようにすぐにくしゃみやかゆみなどの反応を起こす即時型と、アトピー性皮膚炎などのように遅延型のものがあります。この両方に、紅茶が効果的なことがラットの実験で実証されています。
アレルギーは、体の中にできた抗体が、花粉などの抗原に過剰反応して起こりますが、この抗体を持ったラットに紅茶を与えたところ、反応を50%抑えてくれたというのです。
紅茶の効能(5) 虫歯になりにくい、フッ素の作用
紅茶の抗菌効果は、虫歯予防にも効果を発揮します。虫歯の原因になる菌を退治してくれるからですが、さらに紅茶には、あの歯磨き粉の成分でもあるフッ素も含まれています。飲むだけで、歯を丈夫にして虫歯を予防してくれるんですね。
この効果を得るには、1日3杯飲むといいと、イギリスの実験で実証されているそうです。
紅茶の効能(6) 食中毒症状の緩和
紅茶の殺菌作用は、ウイルスや口腔内菌だけでなく、食中毒の菌にも有効ですで、辛い食中毒の症状を緩和させてくれます。O-157が流行した際にも、紅茶の殺菌作用が驚くべき効果をもたらしています。
紅茶の効能(7) 末端の冷え対策に
他には、抗酸化、メラニン色素抑制効果などがあり、また、カテキンにはない効果として、血流改善効果も持っています。抹消部体温を上昇させるので、手指の先や足先などが冷える場合は対策になりますね。
紅茶の効能(8) ダイエット効果
紅茶に含まれるカフェインには、脂肪の燃焼を助ける働きも確認されています。
ラットによる実験で、餌と水を与えたラットと、餌と紅茶を与えたラットに分けて1年間飼育したところ、一年後には、紅茶で育てたラットは水で育てたラットに比べて体重が2割少なく、肝臓の周りに脂肪もなく、また中性脂肪もはるかに少なかったと言います。この結果から、紅茶はダイエットやメタボ対策に有効だと言えます。
効果的なのは、運動前にカフェインを取ること。そうすると、まず皮下脂肪から先に燃焼されるので、ダイエットをしたい人にはおすすめです。また利尿作用もあるので、老廃物を身体から排出するのにも役立ちます。
ただ、砂糖をいれてしまうと、砂糖のほうが先に身体に吸収されてしまうため、ストレートで飲むのがおすすめだそうです。
紅茶の効能(8) 運動能力を高める
カフェインは、筋肉刺激剤とも呼ばれ、運動能力を高めてくれます。中枢神経に作用するので、特に筋肉の能力にプラス知能を要する種類の競技に力を発揮します。たとえば短距離走よりはハードル競技や走り高跳びにより効力を発揮します。また、持久力を必要とする競技にも効果的で、長距離走やサイクリング、クロスカントリーなどにもぴったりです。
紅茶の効能(9) 高血圧、動脈硬化、脳梗塞、心筋梗塞などの予防に
コレステロールや脂肪、カルシウムなどが血管の内側にたまると動脈硬化が進み、血流が細くなるため高血圧となります。カテキンには悪玉コレステロールを抑える作用があり、これらの予防になります。
さらに、血液中の血小板は、傷などを負ったときに血液を固める作用をもっていますが、この作用が行き過ぎると、血管内で血栓をつくり、血液の流れを妨げてしまいます。これが、脳や心臓の動脈で起こると、脳梗塞や心筋梗塞が起こります。
いずれにしても、スムースな血流を妨げるとよいことはひとつもなく、大きな病気に繋がる危険性をはらんでいます。
これらの予防に、紅茶が有効であることがわかっています。様々な食品で実験調査が行われていますが、緑茶と紅茶には効果があり、中でもセイロン、ケニア、アッサム産の紅茶茶葉に、高い効果が見られたそうです。
また、ラットによる実験では、茶カテキンを使用して飼育すると、通常の餌で飼育した場合と比べて、脳卒中による死亡が2週間遅延したと報告されています。
紅茶の効能(10) 紅茶ポリフェノールが癌を抑制
癌は血管の中を移動しながら転移していくと言われています。癌細胞が血液の流れに乗って別の部位に移動し、そこに癒着して増殖します。思わぬところに別の癌が出来てしまったり、全身に転移して手遅れになってしまうのはこのためです。
ですがその癒着を、紅茶ポリフェノールが阻止してくれることがわかっています。つまり癌の転移を防いでくれるのです。