クリスマスの色『赤と緑』の意外な理由

クリスマスの色というと、まず赤と緑が思い浮かびます。
クリスマスっぽい絵を描こうと思ったら、まずサンタクロースの服の赤、クリスマスツリーの緑って対比がぱっと頭に浮かんだりします。
他に使う色は……白とか黒、ゴールドでしょうか。
なんとも、クリスマス気分が盛り上がる組み合わせですね~。
さて、ではなぜこの赤と緑、クリスマスの色なんでしょうか。

赤はキリストの流した血の色

じつはこの赤は、イエス・キリストが流した血の色と言われています。
キリスト教徒じゃなくても、クリスマスがイエス・キリストの誕生日で、キリストは、十字架にかけられ処刑された、ということまでは何となく知っていますよね。
キリストは人類すべての罪を引き受けて処刑されたのですが、人々のために贖罪の血を流すことによって、わたしたちは永遠に生きることを許されたのだそうです。
このため、赤は、神の愛の色とも言われています。

このようにして、赤は、キリスト教では白の次に神聖な色とされ、枢機卿という、聖職者として教皇の次に地位の高い人の法衣として用いられるようになったそうです。
映画『ダビンチ・コード』シリーズの『天使と悪魔』にも、そんなシーンがありましたよね。

ちなみに、もっとも神聖な色とされる白は、最高位である教皇の法衣の色。
純潔さや清らかさ、高貴さ、無垢という意味を持ち、神を表しています。また、平和のシンボルでもあります。

緑はもみの木のエバーグリーン

一方、緑色は、クリスマスツリーにも使われているもみの木の緑。
ケヤキやカエデなどの広葉樹は、秋には紅葉し冬になると葉を落としますが、針葉樹で常緑樹でもあるもみの木の葉は、一年中変わらず緑色をしています。
このことから、緑色が、永遠の命を表す色とされるようになったのです。
また、もみの木の葉が、よく見ると十字架の形をしていることから、クリスマスツリーに使われるようになりました。

ヒイラギやポインセチアも

クリスマスといえば、ヒイラギの葉と実もよくモチーフとして見かけます。
この緑色も永遠の命を、葉のトゲトゲはキリストの受難を、そして赤い実はやはりキリストの血を表していると言われています。

ポインセチアも赤と緑の葉が華やかで、クリスマスのイメージが強いですよね。

クリスマスシーズンになるとよく見かけるようになるので、寒い地方の植物かと思ってしまいますが、
ポインセチアは、もともとメキシコ原産の植物で、寒さにはとても弱いんだそうです。
アメリカの初代メキシコ公司で植物学者のJ・R・ポインセットが発見してアメリカに持ち帰り、品種改良をして、彼の名前にちなんで「ポインセチア」という名称になりました。
それまでメキシコでは、赤い葉っぱを染料に、茎を折ると出てくる白い液を解熱剤に使っていたと言います。
やはり赤・白・緑の色合いと、葉の形が聖地ベツレヘムに似ていることから、キリストの誕生祭のパレードで使われるようになり、クリスマスの飾りの一つとして浸透していったようです。